承認をめぐる病

承認をめぐる病

承認をめぐる病

  • 作者:斎藤環
  • 発売日: 2013/12/23
  • メディア: 単行本

「承認」という漢字はどこか想像しにくい。「つながり」といえば分かりやすいでしょうか

「つながり」と聞けば、その中には「関係」や「会話」を想像されると思います

人とのつながりに失敗はつきものですが、何かしらの心構えができれば楽になるかもしれない

この本は「承認」について幅広い視点で語られています

読んでみていいなと思ったところをピックアップしてみました

 

・場所と人間関係

その「場」に「いる」だけで他者に影響してしまうということはある。これは結構どうしようもないように思われる。例えば、ある空間に僕の他に女性がいるとする。その女性は気まずいと感じているかもしれない。また僕はそんな想像をしてさらに気まずい・・・とか

筆者は、「場」はどこにでもある。家庭が、教室が、体育館が、職場が、いつでもそうした「場」に転じうる。

①密室性、②二者関係、③序列(権力関係)

この三点が揃ったとき、その場にいる誰もが、暴力的に振る舞う可能性があるとしている

もし人と接する場合は、目線や眼差しって大事なのかなと思います。これは②と③に関係してきそうです。①は手短なところでいえば、体の向きや姿勢を変えるなどで「場」は広く感じるだろうか

空間を考えるならば、音楽を流すことや、飲食が可能かなどでも①と②を意識的に分散させることもあるでしょう

 

・なぜ人は嘘をつくのか

嘘という行為が必要とされるための一つに、「嘘を聴きたい」と願っているからだと書いてありました

例えば、誰かが退屈をしているときに楽しい冗談話(本当は嘘話)をすることは、それはそれでいいのかなと思います

しかし、嘘をつく対象が自分自身であれば、その嘘と自分自身の開き具合に悩んでしまうことが出てくるでしょう。ここに人によく見せたい、よく見られたいと願う承認の問題が発生するのだと思いました