大衆の反逆 オルテガ・イ・ガセット

大衆の反逆 (岩波文庫)

大衆の反逆 (岩波文庫)

 読めるとこだけ読み終えました。

「大衆」と言われても、なかなかイメージが沸きにくいところがありました。

オルテガの生きた時代は、民主主義が広がり大衆が主役となって政治に参加するようなった時代です。現代の日本でも確かに、民主主義であるし多くの人の選挙によって、政治家が選ばれているのですが、自分には身近な話でなく想像力が沸きませんでした。しかし、オルテガは国家や政治の話だけでなく、大衆は文化、教育、生活などいろいろなところでみられる現象だという。

 

考えてみると、ショッピングモールで買い物をすることやYoutubeの配信を視聴しているとき、多くの人の流れにいるかのような気がしますね。「一般」という言葉とも少し違う。この言葉は、例えるならお米を買うときに「一般的な消費」と言いますが「大衆的な消費」とは言わない。多くの人の生活に根付いたことは「一般」表現されていますね。

 

まず、大衆は多くの人が所々で見られるようになり、それが当たり前なってきているとする。また、いい加減な存在であり個性的でもないともしています。

 「大衆とは(略)自分がみんなと同じだと感じることに、いっこうに苦痛を覚えず、他人と自分が同一であると感じてかえっていい気持ちになる、そのような人々全部である。」

一方、大衆化していくことで、経済的にも豊かになり盛んな行動が見られるようになったとみている点も面白いところ。

約100年前、ヨーロッパ周辺はグローバルな時代でした。新聞媒体の到来で多くの人が一緒の情報を知り、交通の発達からいろんな場所を横断できるようになった時代でした。今と似ていますね。

 

オルテガは、大衆化することで「かけがえのない自分」に出会うことが難しくなるという指摘をしています。そして、自分という輪郭をつかむことは大事だと判断しています。この本を読んで「大衆化していないにところにいこう!」とオルテガさんに言われている気がしました。

 

こちらの方が読みやすくておすすめです。