ひきこもりはなぜ「治る」のか?精神分析的アプローチ

ラカンとひきこもり

欲求は動物的なものだけれども、欲望は人間関係のなかにあるという話が好きでした

他者に出会うことで、「相手から欲望をもらう」「欲望を交換する」という言葉もナイスな感じ

してほしいことがあるのなら、そのことをなるべく口に出さないこととあります

そんなときは「欲望する他者」として振る舞うことがきっかけになる

「欲望する他者」とは、旅行することでもいいですし、ショッピングでもなんでもいいのかなと思います

「欲望をあきらめない」ということは、精神分析の倫理としてラカンが一番重視したことだそうです

 

グループでの対応

グループで対応しようする場合の問題も取り上げています

空気感といいますか、無意識に作り出してしまうネガティブなものを切り捨てるということは大事で

その発想を考えることは意味のあることだと思いました

ギリシア史〈1〉を読み解いていく⑩ ヘレニズム時代へ

ペルシアの内乱と衰退

前401年のペルシア王位争いに、著者であるクセノフォンは傭兵として参加していた

ギリシア人傭兵隊はペルシア内陸の取り残されるも、クセノフォンを隊長に選び、苦難の乗り越えながらも脱出に成功する。この遠征でペルシア王国に内部の弱点が明らかになり、ギリシア人のペルシア観に影響した

クセノフォン作「アナバシス」に詳細が載っている

アナバシス―敵中横断6000キロ (岩波文庫)

アナバシス―敵中横断6000キロ (岩波文庫)

スパルタ社会の動揺

アテナイに続いて、スパルタの社会変動も大きかった

鎖国社会からギリシアの指導的立場をとっていたスパルタは、ギリシア諸国に干渉を加えはじめたペルシアに対抗した(前396年)

国内では、金銀の流入による貨幣経済に浸透によって土地を失う市民が続出していた

また長期の遠征による市民(ホモイオイ)の減少や、市民にたいして非市民の割合がとても高くなっていた。このことは非市民が外の世界へ出兵するたびに、共同体としての結束に影響したとみられています。そして、次第にスパルタは力を失うことになる

 

コリントス戦争(前395年~前386年)

代わりにテーベというポリスが力をもってきました。スパルタの強引な覇権拡大のやり方に反感をもったテーベが中心に始めたコリントス戦争が始まる。ペルシアの介入やコリントスアテナイとの共戦もあってスパルタは敗れた

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復興のアテナイ

アテナイはペルシアの資金援助で前394年に城壁を再建し、失っていた海軍の増強を始めることになる

ペイライシウス港はエーゲ海交易の中心としての役割を再び担いはじめた

前377年に第2海上同盟が結成され、制海権を回復していく

しかし、徐々に支配強化の政策が進められ、前357年に「同盟市戦争」が起こり、同盟の大半が離脱した

プラトンは前386年頃に、アテナイアカデメイアに学園を開いています。コリントス戦争も終わり国内は比較的安定していたのかもしれません

 

ポリス社会の変容

数多くのポリスは、市民一人一人が兵となって、自分たちの都市国家は自分たちで守るというものだった

戦争が頻繁に行われるようになると「傭兵の使用」が普及しました。また戦争による農地荒廃によって、土地を手放す市民が増えた

それは共同体を支える意識の衰退につながっていったとされています

 

ギリシア史〈1〉を読み解いていく⑨ 30人政権part2

フュレー要塞

アテナイを追い出された人は数千人にのぼり、各地で難民が溢れていた

前403年1月、亡命していた民主派の人々がトラシュブロスを指導者として、難攻の地フュレー要塞を少数で占拠した。フュレーを攻略した兵の中には、後にソクラテスを訴えるアニュトスという人物もいた

また豪雪が降り続いたことによって、アテナイから派遣された大軍を防ぐことができた

フュレーには多数の兵が集結し、さらに勢いをつけることになる

30人政権は、事態を重く見てエレシウスに拠点を移す

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ペイライエウスの攻防

前403年5月、トラシュブロスはフュレーの人々を引き連れてペイライシウスに南下し、ムニキアの丘で迎え撃った

この戦いでクリティアスは討死した

アテナイ市民3000人は30人体制を廃して、各部族から1名ずつ投票によって「10人」を投票によって選出した

一方、ペライエウスには大勢の人々、それに雑多な人間が結集していたとある。彼らは、一緒に戦えば市民と同等の扱いを受けるであろうとの保証を与えられて出撃に加わった

エレシウスに退去した30人政権派は、スパルタ軍に支援要請を出した

リュサンドロス配下のスパルタ軍にペイライシウスを封鎖されると民主派は苦戦を強いられる

結局は、スパルタの王パウサニアスが両者の仲介役をはたした

民主政の回復を条件に和解が成立し、結果的には民主派が勝利した

 

まとめ

クリティアスは民主政権時の反省から「貴族制」を目指していた。確かに「ちゃんとした人」が政治を行うことは真っ当な感じがしないでもない…。だけれども、実際に政権交代して起こったことは内側の分断だった

これからアテナイは、民主政と寡頭政の失敗からどう歩んでいくのでしょうか

ギリシア史〈1〉を読み解いていく⑧ 30人政権part1

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30人政権の成立

前404年春、スパルタとアテナイとの和平によりペロポネソス戦争は終わった

終戦後数ヶ月間、アテナイではこの国をどうするのか議論が続いていた

アテナイの中では民主政に反対する勢力がまとまり

前404年9月、民会によって「30人政権」と呼ばれる寡頭政治を国政とすることになった。スパルタの将軍リュサンドロスの後押しもあった

その政府の指導者はプラトンの母親の従兄クリティアスであり、叔父カルミデスも政権の一翼をになっていた

 

政策の反動

当初は市民の支持を得ていたが、敗戦後の財政難や反対派の動きを牽制するため、次第に市民やメトイコイ(在留外人)にたいして暴政を始めることになる

批判が高まると3000人の市民の名簿をつくり、彼らのみが参政権をもつとした

名簿に入らない市民は中心市より排除、一部の土地を没収されている

クセノフォンの記述によると、30人政権のひとりテラメネスは、「まるで3000という数字が、その市民たちが立派で高貴であるために何らかの必然性を持つかのようではないか」と反対した

一方クリティアスは、「民主主義が耐え難い政体であることはわれわれは承知してるし、また、われわれの救い手であるラケダイモン(スパルタ)人にたいして民衆は決して友好的たりえないのに、貴族階級のほうは最後まで忠実たりうることもわれわれは承知しており…」と寡頭政の必要性を訴えた

 

ソクラテスと政権

ソクラテスは3000人の中のひとりであった。ソクラテスは、「ソクラテスの弁明」にて、サラミス人のレオンを連行してくるよう命じられたがその命令にはしたがわないで家に帰った、と述べている

ソクラテスは政権への態度や行動は批判的ではあったが、クリティアスはソクラテスと親交があった。弟子のひとりでもあったとされている

星のギリシア神話

星のギリシア神話

星のギリシア神話

 古代のギリシア人は、大空の星々を星座として描き出し

神々や英雄の物語を作り上げていった

ギリシアの神々は人間的であり、偉業もあれば苦悩もあり親しみを感じさせてくれる

近い星座と星座をつなげ、物語を空想していく

そうすると、果てのない夜空に、不思議と生命感がでてくる

そんな景色に今も昔も魅了されるのかなと思いました

大人も子どもも夢中になる はじめての宇宙の話

大人も子どもも夢中になる はじめての宇宙の話

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  • 作者:佐藤 勝彦
  • 発売日: 2015/11/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 太陽は、東の方から出てきて、南の空を通って、西の方に沈む

地球が左回りに自転しているから、太陽がそう動いて見える

メリーゴーランドと同じ原理みたいだ

また公転を日常生活の中で証明することは難しいと書いてあった気がします

生まれの星座は、太陽の近くにあるので半年後に夜空で観測できるようになるそうです

人はなぜ物語を求めるのか

 人はストーリー形式で出来事を認識しているところがあります

今の僕のストーリーを単純に切り取れば「パソコンで文字を打っている」になります

ここから、この文に「ブログを書くために」と理由を付け加えることで、文章が滑らかな感じになります

コミュニケーションの場面ではどうでしょうか?

例えば、初対面の人と話すとき、その人のストーリーが分からないので緊張します

見た印象から、「この人はおそらくこんな感じ」と勝手にイメージして、対応を円滑にしようとするものです

ストーリー形式で認識していくことは、その瞬間瞬間では当たり前のように起きています

しかし、その認識は一旦は納得して安心したいだけかもしれませんし、実際はかなり誤解しているかもしれません